ヒワズウタ ~ユヅキ~
4
鈍い頭痛で目が覚めた。
昨日、飲んだビールの空き缶が小さなテーブルに転がっている。
ーーー飲みすぎた・・・な。
カーテンの隙間から射し込む光は、
すでに昼のものであった。
ゆっくりと起き上がり、
テーブルの上の煙草を口にくわえ火を点ける。
大きく、一吸い。
そのまま、
冷蔵庫から出したオレンジジュースを
パックのまま無造作に飲む。
ニコチンの所為だろう、
軽い眩暈を憶え、ベットに腰掛ける。
カーテンで閉ざされた部屋の中には、
午後の柔らかい光が染み込んでいる。
その中を、
紫煙がゆっくりと揺蕩う。
見渡した部屋は、
とても人を呼べる状況ではない。
大きなため息と一緒に煙を吐き出し、
灰皿に煙草を押し付け、
部屋の掃除にとりかかった。