ヒワズウタ ~ユヅキ~
2
いつものように仕事を終え、疲れた体で家路を急ぐ。
今日は残業だったので、いつもより少し遅い。
それでも手伝ってもらえたので、思ったより早く終わらせることが出来た。
明日、仕事が終わったらお礼にご飯にでも誘おうか・・・。
それくらいしてもいいほどに手伝ってもらってしまった。
本当に、もう・・・。
出るのは、ため息ばかりだ。
いつもだって遅いけれど、それよりも少し遅い時間。
改札を抜けて、コンビニへと向かう。
夏の夜に蒸された肌にシャツが張り付く。
雨が降る前のように湿度は高い。
嫌だ。
虚ろな視線を上げる。
ふと、目にとまったのは、コンビニから出てきた人だった。