危険中毒
入室して、直ぐに
視界に飛び込んだモノ
シャツを裂かれ、
その豊満な胸を
いたぶられるモニカと、
奇妙なまでに
穏やかな眼差しで、
乳房に舌をはわす
サタンだった。
モニカは抵抗する意志すら
放棄した様で。
額に張り付いた髪の乱れ方が、
長時間に及ぶ行為が
繰り返されたモノだと
知らしめていた。
引きはがす事も諦めた腕は、
奴に触れる事もなく
床に転がっている。
一瞬、言葉を失った俺から、
モニカが視線を外した。
「なんだ?ムーン。
邪魔しにきたのか?
情婦なら、当分、
コイツでいいが?」
サタンが言う。
「アンタが、俺のタマァ(商品)
信用ならねーから、
コイツは、ボディーガードに
するっつったんだろ?!
歩合報酬が見合って
ねーじゃねーか?ぁあ?」
近づき、モニカから
顔をはなした瞬間を狙い、
思いっきり側頭を蹴りあげ、
彼女から身体を遠ざける。
床にうずくまり、
何か聞き取れぬうめき声を
あげていたが、フラフラと
奴は立ち上がる。
「油断してしまったな。」
さっきの蹴りで、
キレたのだろう。
髪が流血で濡れている。