危険中毒
そのあとの記憶は、
霞がかかったように、
あやふやだ。
いつ、
彼のコードネームを
聞いたのかも。
どうやって
ここへついたかも。
なんとなく
記憶があるだけで・・・。
まるで、
夢を見ていたようだ。
「リディア。いくぞ。
面通しだ。」
ムーンが、ドアの方へ
あるいていく。
「ちょっと待ってよ。
何の説明もないわけ?」
慌てて立ち上がる。
「あん?サタンの
品定めを受けるんだよ。」
サタン・・・?
ある言語の
悪魔を意味する単語。
考えを巡らす私に、
彼は振り返り言った。
「そいつもコードネームだよ。」
本名を口に出来ない・・・
しない組織なんだ・・・