危険中毒
ここは、
かつての旧大国のころより続く
工業地帯だったらしい。

いま、俺達がいるのは、
製鉄所跡地・・・


『跡地』の、はずだが・・・

微量ではあるが、
高炉を停止できず、
まだ、鉄を作り続けている。





「停止できず?」

キムからの依頼に、
モニカが首を傾げる。

「プルトニウムか?」

俺も、合点がいかず
問い質した。


「いーや。さすがに、
あの旧設備で、それはせんよ。
全部、人間に還るんだ。
アイツらもそれほど、
バカじゃねえさ。」


キムは一旦
言葉をきった。


が、


「アソコにも、
実験体がいてな・・・」


俺達は、ため息をついた。


人材派遣とは、
うまくいったもんだ。

清掃屋として派遣され、
役目のすんだモノを
駆除する・・・か。

汚ねー仕事だな。


なんなら、俺達がーーー

いや、
モニカは別として、

俺が死ぬにあたっては、
何の問題もないって訳だ。


アイツの考えそうな事だ。


サタンのヤロー・・・


絶対、生還してやる。





 
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