危険中毒
微妙な空気。

この暫く、作戦のためもあり、
連絡もとっていなかった。

捕虜暴行事件で
慌ただしかった事もあり
帰って来てからも、
同様だった。

「聞いたわよ。謹慎中だって?」

「ああ。今月いっぱいな。」

全く、どこからでも
情報を聞いてくるやつだ。

「じゃあ、ゆっくり
会えるわね。
402号の患者の件でしょ。
彼女なら、もうすぐ
目覚めるんじゃない?」

「そうか。」

回診でもしたんだろう。


この時は、ジューンが、
モニカのような小娘に
嫉妬したりしないと
思っていた。


適当に、世間話を切り上げて、
少女の部屋をノックした。

「入っていいわよ。」

ミオの声に従い
引き戸を開けた。

「誰?」

ミオのハスキーな声とは異なる
しかし、少女にしては、
随分と、低い声がした。

気がついたのか?

シャワールームが視界を遮る。

「シドニー=マックスよ。

あんたをここへ運ぶよう
指示した男。」

ミオの声がする。


彼女たちにとって、
敵である俺が、
姿をみせても
大丈夫だろうか?

少女は
怯えたり

しないだろうか?


 
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