危険中毒
その笑顔に
釘漬けになった。
中性的な顔立ちに見えるが、
それは、栄養状態の乏しさの
影響だろう。
「あ。そうだ!親父は?」
彼女は、慌てたように、
俺とミオに問い掛ける。
「モニカ、落ち着いて。
親父って?」
ミオが、なだめ問う。
コイツとは、
国防入隊からの仲だが、
こんな母性を感じさせる
一面を見たのは初めてだ。
俺は、無意識の内に、
イイモノを拝んだと、
人の悪い笑みを
口元に浮かべていた。
ミオは気付いたのか、
何とも言えぬ顔をしていたが、
モニカはお構い無しだ。
「・・・えーっ、と。あ。
キム=ダンクロード!」
と、興奮気味に続けた。
「ああ。キムね。」
ミオは、言って、俺をみる。
「モニカ、キムなら、
大切に身柄をあずかってる。
本当なら、君も、同じ様に
対応するハズだった。」
ちゃんと意識が戻ったって
伝えると説明すると、
彼女は俯いて、不安気に
聞いて来た。
「・・・キム、
怒ってなかった?」
「え?」
意図が掴めず、
聞き返した。