危険中毒
「で、
お付き合いを、終えると?」
食事を終え、移動したバーで、
本日の目的を告げた俺に
返された言葉。
「ああ。」
短く肯定の意を告げる。
予想どおり、縋り付き、
別れを撤回させるような
取り乱した態度を
ジューンは取ることは
なかった。
ただ、別れ際・・・
「元々、私が、無理を言って、
あなたを紹介して
いただいたんだけど。
私、そんなに
魅力がなかったのかしら。
キスもしたくないほど。」
そういって、
悲しげな眼を
向けてきた。
そう
まさかだが−−−−
肉体関係どころか
キスすら、しなかった。
「仕事や時間が合わないなんて、
最初から、わかっていた
ことでしょ。
貴方は
あの子猫に
手を差し延べても、
私を抱きしめる手は
もたないのね。
私、あなたを
愛していたわ。
さようなら。」
そういって、
彼女は、
俺の頬を、
おもいっきり
拳で、殴りやがった。
不意打ち
素人のパンチとは言え、
まともに食らった頬は
腫れ上がって、
帰宅を、赤い眼で
出迎えたモニカは、
ちょっと驚いていたが、
理由を聞かず、
湿布を貼ってくれた。