危険中毒
「あの様子なら・・
さしずめ『爆弾』と
いった所だな。」

爆弾・・・?

「ああ。あいつが開発した
超高性能小型爆弾を、
人体に埋め込み、
兵器として売り飛ばす。」


・・・なんていった・・?

この男・・・何、ゆった・・?


脳が
コトバを理解することを、
完全に拒んでいる。


「数ある商品のうち、
もっとも需要のあるモノだ。
何といっても動物の様に
意思の確認をせずに、
施すわけではない。

生きる事を放棄した
自殺志願者を集めてくる
わけだから、ギブ&テイクの
関係が成立する。

更には、
コトバを認識するわけだから、
的確にターゲットを
攻撃できる。
100%に近い性能だ。

何処ぞの国の兵器の様に、
無差別に人を殺したり
巻き込みもしない。」


・・・既に、
思考は停止している。

理解という行動そのものが、
虚しくすら感じる。

そして、
体温を自分の肌に伝えてくる
この男は、何故、こんなに
淡々と話して聞かせる・・・?


自慢するわけでもなく、
狂ったふうでもなく、
世間話と同じトーンで。


 
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