危険中毒

　


セクシーな黒のドレス。

はいたことも無いような、
同色の中指ほどの高さの
ピンヒール


事前に、彼が、
オーダーしてくれていた
らしい。

それらを身につけ、
試着室を後にし、
数歩進んで、
ジニーの前に立った。


お店の人が、
自分の化粧品で、
せっかくだからって、
メークもしてくれたから
少しは
大人っぽくなってるはずだ。


「ジニー？」

こちらをみて目を見開き、
直ぐに
視線をそらした彼を訝しむ。


「ああっ・・・。
よく、似合ってる。」

彼は言ってくれた。


「ありがとう。
大事にする。」

鏡に映った自分に驚いた。

別人の様。

ジニーも、さっき
驚いたんだと
思った。


「せっかくだから、
そのまま帰ろう。」


そういって、彼は、
来る時とは違い、
エスコートしてくれた。


そして、あと少し
付き合って欲しいと言う。