危険中毒
「それって・・・
殺人じゃない?!」
なんとか発した声が
渇ききっている。
自分が動揺してると、
否応なしに理解する。
「だから、自殺志願者を
スカウトして、契約する。
彼らは確実に死ねる。
合理的で、奴らに対しては
ボランティアでもあると
いうのが、この組織の
見解だ。」
「狂ってる・・・。
あんたも・・・
サタン・・も。」
狂いきってる。
「何の目的で
こんな腐ったビジネスに
手を染めるわけ?!
金のためなら
ここまでやるわけ?!」
蔑んだ瞳をむけ、
銃口をつきつける男に、
震えた声で抗議する。
「金?
俺は・・・
アイツを守るために
汚れるだけだ。」
男の声に、一瞬、
色香を感じた。
・・・オンナのためだ。
直感した。
自分のオンナを守るために、
鬼畜となる?
安っぽい男。
ヘドがでる。
「へぇ。あんたのオンナ?」
嘲笑する。
「お前が知る必要はない。
第一オンナには困らない。」
こめかみに当てられた銃口を、
横目でみる。
ムーンのシャツの
開けた胸元が
視界にはいって。
銀のネックレスが
目に焼き付いた。