危険中毒
それでありながら
これほど熱くなる必要が
どこにある?

「リディア。待てよ。
一緒に行ってやる。」

『落ち着け』とか
喚起を促す言葉は
他にもあるはずなのに。

何を思ったか
自分が放ったのは、
コイツと行動を共にするという
選択の意志だった。

その言葉を受けて、
すっと彼女の瞳が
素に戻った。


「ダメ・・・
見せたくないから。」

そう、モニカは呟いたが
その言葉が、
何を指してるのかは、
わからなかった。


遺体?
脳?

そういう
物質的なモノを指すのでは
ないのだろう、という
気はした。


「うるせー。いくぞ。」

グローブをはめなおしながら
行動を促す。

何にしろ長居は禁物だ。

モニカは、
不満そうにしながらも、
先刻セットしたロープを
腕力だけで
器用に上りだした。


相変わらず
男並の身体能力は
健在だ。


合図を受けて、
同じく点検口内に
潜入した。


 


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