危険中毒
天井裏の開口付近では、
モニカが乱雑に投げ込んだ
蛍光灯が派手に割れていた。

破片と共に、
直管内の塗料が飛び散っており、
淡く淡く光を放っていた。


梁の上で、背中合わせに立ち
空間を懐中電灯で照らし
様子を探る。



「あれは・・・」

モニカが鉄骨の梁を
歩きだす。

彼女の進行方向を照らせば、
なにか黒い、
機材らしきモノをみつけた。

「こないで。マックス。」

ちょっとだけ、
こちらを見てそういう。

「聞けるか。バカが。」

そんな苦言をはきつつ近寄れば
モニカが絶句して
足元を見ていた。


「おい、モニカ?」

彼女の光源の先をみる。




電線が・・・
動いてる・・・?


縦横から配線が、
先ほどの黒い箱を目指し
這っているようにみえる。

「やっぱ、あそこだ。
あの中にあるんだ。」


モニカはつぶやくように言って
銃口をそこへむけたが、
すぐに無駄な手段だと
気付いたようで、
再び歩みはじめた。


足もとをくねる電線が、
気持ち悪い。


 
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