危険中毒
 



『ジニーは、
私の事も
選ばなかった』


とは、


あの時の話だろう。



ここへ来る(潜入する)ために
モニカに別れを告げた
あの日の事・・・



泣き叫ぶモニカを、

今もまだ・・・・

覚えている。



素直で、可愛かった少女は
彼女なりに背伸びをして
俺を愛してくれていた。


理解しようとしてくれていた。


十分すぎる程、
それはわかっていた。


純粋なモニカを

俺も、ありえない程
愛していたから。


だからこそ、
人並みの幸せを得られると
得てほしいと、手放した。



でも


よかれと思った選択は


大人になりかけの少女を

キズつける結果となった。


そして


あの日の悲しみを

モニカは癒やせずにいる。


最期まで共にあろうと
ありたいと・・・
望んでいたなんて・・・

いや、
今だ尚、そんな事を
望んでいるなんて

いまさら説いたとしても


あいつは
癒えないのかも
しれない。



モニカは・・・・。





 
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