危険中毒
 
「マリア。
ジュノを殺ったそうだね。
上出来だ。」

両手を残る片手で、
私の背中に束にして、
押し当てる。

上半身を押し出す形で絞められ
濁る視界に、自分が
白目を剥いてるんだと
感じた。

顎が上向きに固定され、
伝う唾液をなめとられた。

顎から去る体温に、
何とか目を開くと、
奴の舌先から
糸が伸びているのが
見えた。


くっそ・・・


やられっぱなしに

なって たまるか・・・


「なに・・・し・・に、
来た。」

何とか、それだけいう。

「次の仕事の依頼だよ。
君とムーンに・・・。
ヤツに言っておけ。
次の仕事、失敗したら
殺すって。」

「何・・・?」

腕の中で、ピクッと
身体が反応した。

「ほう・・・? マリア
君、アイツに
食われたわけだ?」

瞳の端に映る
サタンの眼の色が

かわった。


「洗い流してあげるよ。

実に、私は、不愉快だよ。

マリア。」




そう言って

ヤツは、私をバスルームに
引きずっていった。



 
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