危険中毒
『どうする?サタン。

ここまでは、
あんたの褒美で
構わないけど。

続きは、取引しない?』


余裕の表情。

こいつは、
調べきっている。

ならば、データが、
どこかにあるはずだ。

このPCの中の
どこかに。


俺が、乗ると
踏んでいるのだろう。

マリアは、手元にあった
タバコの形をしたモノに
火を付ける。


新作のドラッグ
・・・兵器に近いか。

最近、開発した
自信作だ。


『おい。私は、タバコは
嫌いなんだ。
吸うなら、表に出て吸え。』

『わかったわよ。
すぐ戻るから、考えといてよ。
あと、ご褒美は、
ちゃんと貰うわよ。』

マリアは、
私の身体を
舐めるように眺めて言い残し、
部屋をあとにした。


扉が閉まった瞬間、
廊下から、
マリアの悲鳴に近い、
毒殺者特有の
叫び声があがった。


『サ・・・タ・・ン!
あたしを・・・!』


ダマシタワネ・・・・


と、

でも、いいたいのか?

悪魔は、ヒトを
陥れるためのイキモノだ。

信じたオマエが
バカなんだよ。


 

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