危険中毒
「コンビナートの火災、
テロなんでしょ?

消火は不要だって
変じゃない?

私は自宅待機だってさ・・・

テロって、いつも
大騒ぎするじゃない。

戦争になるじゃない・・・

なのに・・・



指令部に、
今どこにいるか
聞かれたわ。

自宅にいるって
いったけど。」


モニカは、
眉間に
シワをよせた。


「何か、腑に落ちない。
俺は、召集されているから
行かなきゃならない。

おまえ、どうする?
ここにいるか?
自宅に戻るか?」


「命令だし、帰るよ。」


なんだか、いやな感じが
拭えない。


「モニカ、大丈夫か?
ひとりで、戻れるか?」

一人前の戦争屋を捕まえて
この台詞はないなと思ったが
自分のオンナとなれば
話は別で。

ついつい、
甘やかしてしまう。

「大丈夫よ。
先にいって。
私もすぐ発つわ。」
 


その言葉が



最期の台詞に
なるところだった。



 

 

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