危険中毒
実家のあるはずの場所
そこは
既にコンクリートと、
無残に針金が突き出す
基礎だけとなっていた。
「お・・・ふ・・くろ」
親父の最期を見たせいか
モニカの話を聞いたせいか
直感的に、お袋も同じ最期を
迎えたと思った。
「マジかよ・・・」
たいした孝行もしないまま
ジューンのことでも
肩身の狭い思いをさせて
しまっただろうに・・・
車を降り、敷地に踏み込む。
既に、撤去されただろう
コンクリートの塊
やはり
そこには
残っていたのだろうか?
お袋の肉片が・・・
何が、爆発すれば
こんな惨状になるんだ?
近隣も、数軒含めて
吹っ飛ばしたようで
俺の知っていた世界は
もう
そこには
なかった。