危険中毒
異物をくわえ込んだ扉は
正常に閉まろうと、
ギリギリ音をたてて、
プラスティックを
割ろうとする。

「ちっ・・・」

ホースが、
ちぎれんばかりに
変形している。


「どんだけ
力かかってんだよ。」

必要以上の負荷に
眉間にシワをよせた。

一番手近にある
コンピュタ−に接続された
モニタ−を手荒に外し、
更に玄関扉に挟み込んで
出口を確保した。

慌ただしく、
警報器の箇所を確認して
一番効果的に
異常を感知できる立地の
コンセントに近づく。


これから成し得る事に
歪んだ笑みが
口元に浮かんだ。

差し込んだ
シャープペンシルには
百ボルトの電圧が
滞留している。


まあ
音くらいは
それなりに、
鳴るだろう。

ほぼ、コンセントに
垂直にささる
シャープペンシルの芯に
更に水平に接触するよう
更なる芯を構える。

芯の両端を持つ手を離し
身体を翻した。


バンッ!!という、
かなり大きな爆発音と、
ピンッという
管球が割れたのか?
ヒューズか何かが
飛ぶような音が、
室内に響き渡った。


直ぐに、異常を知らせる
警報器が作動する。



 
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