危険中毒
「モニカ・・」
続けて、自分の名前を
口にした。
俺は、背中に冷たい汗を
感じつつも、
平常心を装い、
腕の中の彼女をみた。
鋭い視線が
返されていた。
「変な男。
これって、ペアよね。」
クスっと笑って、
彼女は、
二本のシルバーのネックレスを
鮮やかな手つきで、
苦しいほど締め上げる。
「これ、あんたと
恋人のことじゃないの?」
完全に油断していた。
彼女の戦争屋としての
力を認めていたのに、
架空の過去を上書いた事で、
潜在能力を甘くみていた。
「離せ。」
「答えるのが先よ。」
「知って・・・どうする?」
「あんたの商売に関しては
許しはしてない。
あんたにリベンジするには、
モニカを吊しあげるのが
得策なんだけど・・」
彼女は、そこまで言って、
手を離した。
「ちょっと・・・
ひっかかるのよね。」
そういって。