危険中毒
「そんなに大事なの?
そのモニカって子。」
自分の世界に入り込んでいた。
彼女を
リディアにしたててからと
いうもの、よくある事だった。
後悔なんだろうか。
戻れやしないのに。
こんな感情は無駄だ。
なのに、正直に
「大事だな・・・」
答えていて。
今までなら、
有り得なかった事だ。
「おもしろくないわね。」
いった彼女の表情は
嫉妬そのものだった。
「殺るつもりか?」
「そんな簡単に
死ねると思わないでよね!
あんた、そういう死に様を、
私達に斡旋してんのよ。
モニカだけ、そんな楽には
殺らないんだから。」
なるほど。
しかし、絞めるのは
己自身の首だぞ?
自分が作った状況といえ、
苦笑する
「モニカは死んだ。
俺が死亡届けを
出したからな。」
これは、嘘じゃない。
ただ、擬装の死亡だが・・・。
だが、彼女は複雑な目をして、
視線を泳がせたきり、
何もいわなかった。
ああ、約束の時間だ。
立ち上がり、ドアの方へ
向かった。
誰も、ここに、
いれるなといいおき、
部屋をあとにした。