危険中毒
「ゾラ!」


無事を
知らせるつもりで
発した言葉


『よう、旦那。
随分ナゲェ昼寝
だったじゃねぇか。』


EVの非常用受信器から
奴の苦笑が響く


・・・まったく
恐れいった奴だ

この短時間の間に
どこまで制御したんだ。


『旦那、そのハコなぁ
狂わされてるぜ。
お前さんを乗せた
オンナの仕業だ。』


オンナ・・・?


モニカ・・・?


それ以外に
誰かいたというのか?

『ライアン=コナーの
第一秘書だ。

次期、マリア・・・かな?

よぉ、オマエ
聞こえてんだろ?
『名無し』よ。』



奴の声が



コレほど

殺気を帯びているのを
初めてきいた。


『ライアン=コナー。

俺の娘に
手かけやがって・・・

いい根性
してんじゃねーか。
このヤロー


雑魚ドモ、聞きやがれ。
全面戦争だ。

オマエらの
犯した罪が

どれほどの人間を
狂わせたか・・・・

己の
身体で
思い知れ!』


 


 

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