危険中毒
細く淡く差し込む光
原始的な破壊音
音のする方に銃の照準を合わせ
バクバクいってる心臓辺りを
わしづかみにする。
早く
このプレッシャーから
解放されたかった。
閉鎖された密室で
敵か味方かわからぬ
人間を待つということが
これほど、
ストレスになるとは
思いもよらなかった。
瞳孔が、限界まで開く。
肺まで到達しない
浅い呼吸が
ただただ繰返される。
ガッ
と、いう
金属音が、この空間に響き
ここが、開放された事を知る。
目は
随分、闇の中でさえ
効くようになっていた。
「シドニー=マックスか?」
淡く青白い光の中
名を問われる。
敵か味方か見極めるため
是否も答えずに
相手の出方を待つ。
「アタリだな。来い。」
言葉少なに、相手も、
俺だと認識した様子で
無駄な言葉も、愛想もなく
ただ、それだけを告げ、
自力で、ここを登る様
促された。