危険中毒
「マックス、動けるな?
長居は不要だ。行くぞ。」
ミオが、立つよう
俺を誘導する。
「どこへ?」
思わず問うた。
「ここから、出る。」
やっぱり・・・
モニカを救うはずもない。
「・・・モニカは?」
「キムが、助けにいってる。」
本当に、助けて
くれるんだろうか?
モニカを
「あとは・・・
サタンの乗った、こちらの
エレベータの始末だが。」
ミオは、俺のほうを見て
口を開いた。
「キムからは、
薬ギレの禁断症状が
でるだろうから、
それまで開けるなと
言われている。
兄弟・・・に、
特別な感情はあるか?
マックス。」
今だって
これほど、憎しみをもって
殴りあった訳で
そんな恩赦の感情なんてない。
でも、
俺が、里親に恵まれたのは
レオの壮絶な人生と
紙一重だったといえる。
俺が、
アイツの人生を
歩んだかもしれない。
そう思うと、今すぐ
爆破してやりたい感情も
多少、冷静になった。