危険中毒
「マックス、悩んでいる
時間はないんだ。」

無線を傍受していたミオが
強い口調で行動を促す。

「早くこのゾーンから
脱出しないと時間がないんだ!
ほら!マックス!」


ここは、まだ
666内なんだな。

連絡通路のいずれかの
フロアーということか。

だとすれば、
比較的早く
救助されてんじゃねぇか。


なんたって、10階程度
なんだから。

だったら、俺は・・・

「・・・もどる。」

モニカを助ける。

自分の手で。


「バカ。
そうゆうとは、思ったがな。
でもな、キムを信じろ。」

コイツらを
疑うわけじゃないが
少なくとも、
真っ白じゃあないから。


ならば、自分の手で、
モニカを抱き、
共に生還したい。


「じゃあ、聞くけどな・・・
『新作』は、誰が
横流ししてるんだろうな?」


流出している
新作のドラッグは

臨床試験だって
まともに施されちゃ
いないのに。


案外まとまった数が
軌道に乗った取引が
なされている。


これは



 





< 323 / 352 >

この作品をシェア

pagetop