危険中毒
 

そんな、日頃有り得ぬ
心の動きに、
心を乱していた時だった。


『なあ、ミオ、頼みがある。』


キムの言葉が、私の思考を
現実に引き戻す。


『オマエ、政界に
コネとか、ツテとか、
あんだろ?

まともな政治家を
探してこい。

いや、タマゴでもいい。

そうだな・・・

プロパガンダとして
使える奴がいいな。

アノ旦那なら・・・と思って
様子をみていたが、
あのオトコは、優し過ぎたな。

少々、冷酷な位でもいいわな。』


『!!』


・・・『旦那』って、

マックスの事か?


コイツーーー

わざと

捕虜になったって訳か?


『そうだな。
H&Tの代表の坊主がいんだろ。
あの程度には、カリスマ性が
欲しいな。』


・・・ゲリラが、
政治家を担ぎあげる気か?

全く、今度は、
何を考えてるっていうんだ?

 
私の生温かい視線を
さも愉快そうに受け流し、
ヤツはクツクツと喉を鳴らした。

『俺のアタマん中も、
まともじゃ無くなって
きてんのかもな。』

 
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