危険中毒
「他は?!
大体、推定って何よ?
まさか、身元不明とか、
いわないでしょうねえ?!」
搬送予定の病院に、
そのまま連絡し、
彼女は電話を切った。
「その、まさかだ。
更にいえば、国籍不明。
下手すりゃ、国籍もねえな。
戦災孤児とでもして、
国籍もやってくれや。」
キムが言った。
「適当な事を・・・。
病院に、放りこんで終わり、
なんて出来ないんだよ!?
ちょっとは、調べる身にも
なってよね。
詳細は目覚めたら聞くか。」
ミオが、ため息をついた。
そして、再び、口を開いた。
「マックス。
私がここに向かって
いたのはね。
彼等が、H&Tに売却されると
いう話があるからよ。」
「マジか?!」
「ええ。多分、明日にでも
動きがあるんじゃない?
手を打つなら、今しかないよ。」
『Human&Technology』
表向きは、人材派遣会社
だが・・・。
色々黒い噂の多い組織だ。
武器の売買から、
傭兵斡旋なんてのは、
まだまだ表向きの話だ。