危険中毒

LEVEL5−2nd,STAGE

 

ムーンと別れ、私は、
あの狂気の城へ、
足を踏み入れた。

尋常じゃない臭気が、
館全体を覆う。

門番の男に、
ムーンに渡されたIDをみせ、
顎で入る様指図をされ、
従う。

「次のオンナか?
エロい身体してんなあ。」

上から下まで、往復で、
なめ回すように、見ながら、
鼻で笑いやがる。

バカが。
エロい顔して笑うな。
低脳男。

シラけた眼差しを送ると、
奴らは肩をすくめて、
せいぜい飽きられない様にな、
と、吐いた。

誰が、自分を
キズモノにした男となんか、
寝る?

寝言は、休み休みに
してほしい。

腹の底で、全てを嘲笑しながら
重厚な扉をあけた。

前回の記憶が蘇り、
吐き気をもよおしながらも、
ムーンに、教えられたとおり
扉を開け進む。


あと、二枚の扉


ノブに、手をのばすと、
数名のつんざくような悲鳴が、
脳裏で共鳴し、ひざが崩れた。

「くっ・・・」

立ち上がろうと、
絨毯に手をつく。


・・・・

血の匂いがする。

視線だけで、辺りをさぐる。


・・・。

左側に隠し扉を見つけた。


そこに何かいる。
そう直感した。


 

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