危険中毒
目の前の
肉塊と化した男をまたぎ、
今だに、この部屋に
入ってくる気配のない、
何かに・・・
一歩一歩、
歩み寄る。
パニックに
陥ってるんだろうか?
呼吸が、乱れている。
怪我が治るまで、みっちり、
ムーンに武器の使用から、
肉弾戦に及ぶまでの
指導を受けていた。
何度も組み敷かれたが、
筋がいいと言われていたんだ。
あの男は、素人じゃない。
アイツの保障があるんだから、
私は、きっと切り抜けられる。
震える手で、銃を構え直し、
廊下に近づく。
気配は、そこにある。
すぐ、そこに。
自分が歩みよる、そこに
その何かはいる。
私が、近づくのを
待ってる。
待ってる・・・?
ここへ、入れない
理由は・・・?
扉まで、3メートルを切る。
「リディア?!リディア!!」
頭の中に、うるさいほど、
ムーンの声が響く。
声が、
電波が
近づいている。
ここへ、向かってる?
ダメだ。
ダメだ。
ムーンが、
アノ何か・・・に
近づけば・・・