危険中毒
彼が黒ずくめのスーツに
着替えている。

ジャケットに、
一度のばした手を引っ込めて、
デスクの引き出しから、
シルバーのネックレスを
取り出し、身につけた。


それは・・・


何年も前に

私が
誕生日プレゼントに
渡したモノ。


「マックス・・・?」


頭は混乱したままだ。


なのに、どこかで冷静に
彼を見てる自分がいる。

だから、

こんな状況ですら、

まだ、持ってて
くれたんだ・・・って。
思うのだろう。


コトバを選ぶ自分に、
彼は向き直る。


 
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