危険中毒
この人化の状況で、
希望を叶えてやるのが、
本人のためでもあり、
これから、
闘う事になるであろう、
俺達にとっても、
無駄に血を流さなくてすむ、
最適な時間であると。


ならば、銃を渡し、
自害させる方法をとるのか?

苦しんできたであろう
コイツに、最後の最後迄
自分自身に銃口を向け
トリガーを弾き発砲の恐怖を
味わせる様な事は
させたくない。

だから、キムは、
俺に始末を依頼したんだ。

少しでも、人間らしく
終われるように。


もう、
タイムリミット
だろう。


決断するべき時が来た。


「ゴウから、離れろ。」

モニカが、俺の方を見る。
命令と認識した様子で、
ノロノロと従った。

ゴウの、吠声の間隔が、
更に短くなっている。

その声の合間合間で、
苦しげに痙攣しつつ、
奴はいった。

「迷うなよ。
・・・脳を一撃だ。
・・アイツらが・・
一番必要と・・・してるの
・・は、
脳・・だ。」

ゴウの目付きが変わった。

銃口を向ける。

直ぐに、トリガーを
引けなかったのは
一瞬の迷いのせいだった。


 
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