危険中毒
 


いつか


潰してしてやる・・・


こんな
イカレタ組織は。


目の前で、死闘を
繰り広げるしかない、かつての
部下達のためにも・・・


兵器と化され、
売りさばかれた
人間のためにも。


国を敵にまわしても
戦ってやる。

リベンジしてやる。

巻き込んじまった
彼女に対しては、
今も心が痛む。

だけど、わかってほしい。

この組織を潰すには、
腕のいい同志が
必要であることを。



「ムーンっ!!」

モニカに突き飛ばされ
ハッとした。

「気抜いてんじゃないよ!
下がってて!

あんたまで殺られる!!」

・・・モニカは
捨て身だ・・・


改めて気付いた。


コイツは、避けるばかりで、
可能なハズの攻撃を
していない。

これじゃあ、二人とも
悲しい最期を迎えるだけだ。


それは、
最善の方法じゃあ、ない。


ゴウは・・・

このまま放置すれば、
完全に獣化するだけでなく、
異常に増強された身体に、
ついていけない体細胞が
破壊していく事になる。

ここにいる限り、
実験体を脱出できない。

脳の採取のために。


 
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