麗しのワイルド ビースト
彼女の親とゴルフしに行ったりしてる俺の努力をわかってねぇな…。



ムカつくから泣かせてやりてぇ。



「寝る」

「ちょっと虎君っ…」

「話しかけんなうぜぇから」

「…………」



泣け泣け。



この鈍感バカ林檎。



シクシク泣いてる林檎を背に、目を閉じて夢の世界に向かおうとした。



今日は疲れたし…。



「虎君…」

「うるせぇって…」

「ごめんなさい…」

「意味わかんねぇ」

「あたしバカだから虎君の気持ちがわからない…」



クソカワイイな…。



振り向いて顔に手を延ばすと涙が指に垂れて来た。



泣き顔好き…。



そうやって俺だけのために泣け。



林檎を泣かせていいのは俺だけだ…。



「隣に置いとくのがイヤならとっくにそう言ってる」

「じゃあいてもいい?恥ずかしくない?」

「俺がお前を必要としてる。ただそれだけ」

「信じられない~…」

「だったら体に聞いてみっか。声、出すなよ?」



可愛すぎる林檎が悪い。



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