麗しのﾜｲﾙﾄﾞ ﾋﾞｰｽﾄ

虎君のお父さんはあたしをカワイがってくれる。



娘が欲しかったのに出来なかったんだって。



お母さんは若くて友達感覚だし。



虎君の家族は好き!!



「虎先輩～!!」

「おぅ」

「今からデートですかぁ？」

「邪魔すんなよ」

「今度あたしともデートしてくださいね？」

「誰とでもデートするほど俺は安くねぇの」



あたしが横にいたってお構いなしで声をかけてくる後輩…。



虎君もイヤな顔するわけじゃなくサラッと受け答えするし…。



なんかヤキモチ…。



「ほら、乗れ」

「抱っこ…」

「おめぇはガキか」

「だってぇ～…」

「妬いてんの？他の女としゃべったから？」



コクッと頷くとニヤッと笑った虎君…。



自転車置き場のバイクに乗せられたあたし。



「俺がお前だけ特別扱いすりゃ満足？」

「えっ？」

「苦手なんだよなぁ～、いかにもラブラブってヤツ？」



そう言った虎君は人が行き交う自転車置き場であたしにキスをした。