麗しのワイルド ビースト
外に出ると今まで乗ったことがない長い車が停まってた。



まさかのリムジン!?



「これで行くの!?」

「まさか。親父達がこっち。俺達はあれ」



虎君が指差したのは普通の高級車。



やっぱり虎君ちはお金持ち…。



「先に行くぞ~」

「ヘマしないでね?」

「おぅ」



お母さんが見送ってくれて発進した車。



無言の運転手さんとしゃべらない虎君…。



「ねぇ虎君…」

「違う、『虎之助さん』って呼べ」

「へっ!?」

「マジで今日だけ付き合ってくれ…」



なんか難しい顔してる…。



初めて見るかも、虎君のこんな表情…。



まさか跡目争いの相手?



「林檎はなにも言わないで笑ってればいいから」

「うん…」



そう言われても…。



なんだか虎君の顔見てたら緊張してきて喋れなそうだもん…。



庶民のあたしには未知の世界だよ~…。



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