麗しのワイルド ビースト
そしてやって来てしまった高級ホテル。



先にフロントでなにかしてる虎君をひたすら待つあたし…。



「じゃあ行こうか」

「はい~…」

「気付けにチューでもしとく?」

「し、しないよこんなとこで!!」

「ぷっ!!緊張取れた?」



あっ…。



ありがとう虎君…。



会場の前で手を虎君の腕に回した。



「なにか聞かれてもフォローするから合わせろな?」

「どうやって!?」

「『そうです』『あははははっ』って笑っとけ」



できるかな…。



そしていよいよ中へと足を踏み入れた。



うわぁ~…。



みんな堅そう!!



「あら虎之助君」

「ご無沙汰してます夏川婦人」

「今日はカワイらしい方と一緒なのねぇ?」

「えぇ、フィアンセの林檎と言います」

「まぁ名前までカワイらしい!!」



ニコッと笑うと笑い返してくれた。



それより今『フィアンセ』って言ったよ!?



いいのかなあたしで…。



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