麗しのワイルド ビースト
でも俺だってなにも考えないで来たわけじゃない。



「令嬢ではないです」

「問題外だな」

「政略結婚なんかしなくてもちゃんと会社は大きくしますよ。父よりもあなたよりも実績を残す自信はありますから」

「ほぉ?言うようになったじゃないか。だったら結果を私のところまで持って来い」

「期待しててください」



林檎の紹介すら出来なかった…。



マジ怖い…。



でもまぁ前より手応えあり?



ホッとした時だった。



「川崎 林檎と申します」



なっ!?



なにしてんだ林檎!!



じいさんに話しかける庶民を初めて見た…。



「あなたの名前は聞いてないがね?」

「失礼致しました。失礼を承知でそちらのタイピンを見せていただきたいのですが」

「ん!?これか!?」

「はい、見たところ随分年代物のようで」



お前、なに言っちゃってんの?



なぁバカ林檎。



俺の努力を無駄にする気か?



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