麗しのワイルド ビースト
それでもみんなは譲ってくれなくて、結局あたしも虎君も誰かに買われるみたいです…。



もう腐ってやるんだから…。



アパートに帰ったらひたすらベッタリ。



今日は帰さないもん…。



「携帯貸して!!」

「なんで?」

「誰にも邪魔されないように電源切るのだ…」

「ぷっ!!どんなヤキモチだよ」



でもそんなあたしの心境を察してくれたのか、虎君がちょっと優しい…。



冷蔵庫開けて勝手にご飯作り始めた…。



「なに作るの?」

「地中海風料理」

「地球海?」

「ちげぇよ。地中海」



そんなもん食ったことない。



田舎もんのあたしには未知だべさ…。



虎君が作ったのは冷蔵庫の有り合わせとは思えないほどの彩り。



繊細っ!!



盛り付けキレイ!!



「おいしい…」

「久しぶりだな料理なんか」

「作れたんだね…」

「まぁそれなりにな」



虎君って完璧人間です…。



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