麗しのワイルド ビースト
ムスッとした林檎に拉致られた…。



俺らがいつも溜まってる空き教室…。



「虎君はもう誰にも渡さないもん…」

「だから俺は」

「顔に出てる!!超ヤダ!!こんなに好きなのに…」

「なんか最近変だぞ?妙に甘えて来たり…」

「虎君がどっか行っちゃったらどうすればいい?」



本気!?



だな…。



ポロッと落ちた涙がやたらとカワイくて…。



やっぱり林檎のカワイさは別。



顔とかじゃなくてこの気持ちがカワイイ…。



「今日うち来る?親どっちもいねぇし」

「行く…」



早く家に帰りたい。



俺だってかなり好きなのに林檎には伝わらないらしいし…。



まぁさっきのは俺がちょっと悪いけど…。



「俺、もう意地でも働かねぇ」

「どうやって?」

「坊ちゃんを舐めるなよ?」



教室に戻って1万を財布から出した。



これで自由だ!!



「俺と林檎の時間買う。文句あるなら死ぬ覚悟してから語れ」

「「はぁい」」



初めからこうしとけばよかった…。



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