麗しのワイルド ビースト
学祭を抜けて林檎と戻って来た家。



久しぶりに俺ん家に林檎がいるような気がする。



「お昼寝したい…。泣いたから眠いよ…」

「襲うかも」

「じゃあ寝ない…」



テーブルの上の2個のペットボトル。



映画が流れてるテレビの画面。



ひざ枕で眠る林檎…。



俺が好きなのは林檎。



他にカワイイと思ってもここだけ違う感情。



髪を撫でると無意識に擦り寄ってくる。



泣くほど俺が好きな林檎が愛しい…。



「林檎、風邪ひくぞ」

「…………」

「仕方ねぇな…」



抱き上げてベッドに寝かせるとパチッと目を開けた。



状況確認中?



キョロキョロしてから俺にギュッと抱き着いてきて…。



「虎君好き…」



知ってるって。



今日はウザイほど言うんだな。



「メシでも食いに行く?」

「デート?」

「たまにはな?」

「やった!!」



喜んじゃって…。



やっぱいちばんカワイイ…。



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