麗しのワイルド ビースト
そのまま数日が過ぎても虎君はまだ好青年…。



「どうしたの?元気ない」

「モモ、あたし…耐えられないっ!!」

「きゃはははは!!虎があんな腑抜けになったから!?欲求不満!?」

「違うよ!!なんか虎君といても虎君じゃない人といるみたいで…苦しい…」

「林檎は虎が好きなんでしょ?」

「好きだけど…よくわからない…」

「距離でも置けば?一回虎のいない生活送ればなにかわかるかもよ?」



そういうもんなのかな…。



でもなんだかあたしがすごく汚い人間に思えてしまう…。



虎君は虎君なのに…。



「今日はどっか行きます?」

「行かない!!」

「えっ…?」

「もうイヤなの!!虎君のその口調も態度も!!林檎チャンってなに!?虎君は『林檎』って呼んでたもん!!」

「どんな…意味…ですか?」

「そのまんまだよ!!あたしの好きな虎君じゃないっ!!」



そう言って逃げてしまった…。



言っちゃいけないことだとわかってるくせに…。



絶対虎君を傷付けた…。



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