麗しのワイルド ビースト
虎君が大学行って、あたしがその辺に就職して…。



会う時間も減るし学生さんは多分ヒマだし…。



あたし…将来のこと考えたくない…。



今がよければと思って生きてきたのかな…。



いつまでもこの時間が続くと思ってたみたい…。



そうだよね、大人になるんだよね…。



でも今は…おやすみ…。



「……っせんだバカ!!疲れてんだから呼び出すなよ!!」

「んっ…?」



真夜中に虎君が電話で怒鳴ってます…。



この調子からすると相手は多分翠君とか尾崎先輩…。



裸の虎君がクローゼットから服を出してる…。



「どっか…行くのぉ?」

「黙って寝とけチビ」

「いっ…てらっしゃい…」

「林檎」

「ふぁい!?」

「そのまま服着ねぇで寝とけよ」



うん…。



眠くて起き上がりたくないですから…。



次に目が覚めたのはまだ薄暗い明け方…。



ガチャガチャとカギが開く音が聞こえて、そのまま部屋に入って来た虎君が…。



あたしの眠る布団をガバッと剥いだ。



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