麗しのワイルド ビースト
逃げてった女はシカトして、抱き上げた林檎の血の着いた顔を見た。



ん~、跡が残るような傷はなし。



平気だな。



抱き上げた林檎をそのまま保健室に連れていくと、慌てて手当てしてくれる若い保健医。



「荒瀬君は自分で!!」

「こんなのかすり傷~」

「じゃあかばん持って来てもらえる!?病院連れて行くから!!」

「なんで?そんなに重傷?」

「女の子だから!!」



わかりました~。



教室に戻ると授業の真っ最中。



まぁこのクラスは体育以外授業にならないようなクラスだから当たり前のように誰も聞いちゃいない。



「林檎はどこ!?」

「モモ、俺帰るから」

「林檎は…」

「今から病院」

「えっ…」



心配したモモも一緒に帰った。



マジでなんともないといいけど…。



「落ち着けよセンセー」

「だって…」

「あんなの軽いケガ程度だろ」

「男の子と一緒にしないで!!女の子の体は大事なんだから!!」



偏見っつーんだよそれ…。



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