麗しのワイルド ビースト
優しい手だ…。



「ヤんなくてもミイラにはなんねぇよ…」

「へっ!?」

「どうせそんなくだらねぇこと吹き込んだのはモモだろ?」

「うん…」

「信じるお前がバカだけどな」

「じゃあ死なないの?」

「死ぬわけねぇだろ…。だったら尾崎なんか何回死んでんだよ…」



よ、よかった…。



あたし、干し林檎にはならずに済みます…。



「俺が言いてぇのはそうじゃねぇ」

「ん?」

「俺ばっかり…お前のこと…好きなのかなって…」



えっ?



なにその顔…。



しかも『好き』って言った…。



恥ずかしそうに横を向いて頭をかいた虎君に心臓がキュ~ンとなった…。



虎君がカワイイ…。



「なんで虎君だけがってなるの?」

「お前拒否んじゃん…」

「それは場所をわきまえない虎君が悪いからだもん…」

「仕方ねぇだろ!!お前が近いだけで欲情すんだから…」



初めて聞いたかも…。



そんな嬉しい言葉…。



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