麗しのﾜｲﾙﾄﾞ ﾋﾞｰｽﾄ

そして我慢しまくって明けた朝。



林檎の熱は平熱くらいに下がってて一安心…。



「俺バイト行くからお前は寝てろよ？」

「えっ!?もうそんな時間？あたしもバイト…」

「あっちゃんには言っとくから今日は寝とけ。また具合悪くなったら病院行けよ？」

「はい…」

「じゃあ帰りに寄る」



帰りはリンゴでも買ってってやるかな…。



クリスマスにバイトってちょっと寂しいけどそれはコイツらも同じ。



「林檎の熱下がったか？」

「おぅ、いまんとこ平気らしい」

「ならよかった。じゃ、最後のバイト、頑張りますか!!」



今日で閉店するソバ屋。



開店して半年しか経ってないソバ屋…。



可哀相なあっちゃん…。



「悪いなクリスマスなのに」

「「別に～」」

「ラストだからビシビシ行くか～!!」

「「…………」」



俺は朝からネギを切る。



これも今日で終りか…。