麗しのワイルド ビースト
閉店してからはあっちゃんが最後に打ったソバを食わせてくれた。



この味ともお別れ…。



「うどん屋ではソバ出さねぇの?」

「そのつもりだけどソバ恋しさに裏メニューにしようって考えてる」

「またバイトで雇ってよ」

「小さい店だから母ちゃんとふたりで余裕で回せんだよ。だからバイトはいらないってわけ」



切なそうに店を見渡すあっちゃんの心内なんか知らん。



やっとバイトが終る!!



「林檎タンにも世話になったって言っといて。ついでに給料は振り込んどいたから」

「「あっちゃん最高!!」」

「まぁうどん屋、そんなに遠くねぇから食いに来いよ。奢りはしねぇけど~」



あっちゃんと会えたのもなにかの縁。



きっとそこのうどん屋には頻繁に通うことだろう。



そして俺は林檎がいる家に向かうわけで。



開いてるスーパーでオレンジとリンゴを買って林檎の部屋を訪ねた。



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