麗しのワイルド ビースト
合い鍵で入ると真っ暗な部屋にテレビだけが着いてて、林檎はベッドで眠ってた。



近付いて頬に触れるとやっぱり熱い…。



テーブルの上には病院から処方されたであろう薬があった。



熱上がってんじゃん…。



大事そうに枕を抱きしめて眠ってる林檎…。



いつから寝てるかわかんねぇから起こすのも忍びない…。



でも弱ってる林檎を置いて帰るのはもっとヤダ。



仕方なく静かにシャワーを浴びた。



浴室から出ると着いてる電気…。



「おかえりぃ…」

「俺、起こした?」

「ううん。熱くて起きた」



リンゴ色の顔がヘラッと笑う…。



あぁ、俺の父性本能が…。



カワイイ…。



「オレンジかリンゴ食える?」

「リンゴがいい」

「剥いてやるからおとなしくしとけよ?」

「ん、虎君優しいね~」



うっせぇボケ。



たまには優しくしたっていいだろ…。



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