麗しのワイルド ビースト
虚ろな目をしたままの林檎がリンゴをシャリシャリ食ってる…。



また共食い…。



「お家帰んなくていいの?」

「帰ってものぞみしかいねぇよ。親父達、クリスマスは毎年どっかのパーティに出てる」

「じゃあ帰っちゃダメぇ…」

「知ってるって…」



またまたヘラッと笑顔を見せてリンゴをかじり始めた。



リンゴかじってる林檎の姿はまさに小動物…。



やっぱり林檎はペット級のカワイさ…。



「病院行ったのか?」

「うん、風邪だって言われたよ」

「薬だけ?」

「血採られた…。グサッて針刺されたから泣きそうだったよ…」

「ガキだな…」

「でも我慢したよ?偉い?」

「偉い」



ただの風邪ならよかった。



リンゴを半分残した林檎は急にゴロンと俺の膝の上に寝転がった。



甘えてんのか?



「下から見てもキレイな顔~」

「お前チビだからいつも下からじゃん」

「ベッドに行っても下からだ!!」

「だな」

「超好きぃ~」



やめろバカ…。



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