麗しのワイルド ビースト
そんなつまらない妄想ばっかり膨らんでしまう今日この頃…。



帰国の日程もわかんないし…。



もうあたし虎君いなくて干し林檎になるからねっ!!



そう思いながら虎君が好きなチョコを手に取った時だった。



「川崎さん?」



少し高めの男の人の声に振り向くと、名前を忘れた人がカゴを持って立ってた。



たぶん同級生…。



でもこんなカワイイ人いたっけ?



同窓会ではあんまり話しとかしないまま帰ったから…。



「やっぱり川崎さんだ!!俺、柳(ヤナギ)!!覚えてるかな…」



柳…柳…柳?



まさかあの生徒会長だった柳君!?



「お、覚えてる…。変わったね!!」

「川崎さんほどじゃないよ!!カワイくなったなってみんな言ってたし」

「柳君は確かメガネ…」

「コンタクトにしたんだ。買い物?」

「うん!!柳君も?」



この人は平気…。



あたしをバカにしたりイジメたりしなかったから…。



< 272 / 518 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop