麗しのワイルド ビースト
柳君はきっと誠実で頭もよくて、こんな優しい人と結婚とかしちゃったら絶対幸せになるんだろうとは思う。



でも…。



「ごめんね柳君…あたしきっと柳君じゃ物足りない…」

「物足りない…」

「それとね、今の彼が好き過ぎてこれ以上好きな人に出会う気もしない…」

「うん」

「だからごめんなさい…」

「つまんない男だって言いたいの?」

「そんなっ…うん、そうだよ。柳君じゃ満足できない」

「あははははっ!!川崎さんって結構キツイね!!」



だって諦めてもらいたいから…。



虎君意外に靡く気もしないし…。



あたしの恋に波風立てないでほしい…。



なにかあって虎君に嫌われるのがいちばん怖いから…。



「フラれたの初めて…」

「ごめんなさい…」

「中学の時に告ってればよかった~!!もういいよ…。リンゴ飴でも買って帰ろっか」

「うん…」



ごめんね柳君…。



でもあたし、初めて告られちゃったよ…。



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